デザイン雑感

***デザインコンセプト
きわめて個人的な話ですがオリジナリティに富んだデザインよりもMUJIみたいに色も柄も抑えたものばかり好んで買っていた時期がありました。お手頃だし主張しすぎないデザインなのでどんな場所でも馴染み、使いやすいと感じていました(実際、今でもそう感じます)。でも、もう少し生活に彩りがあってもいいかなと思う様になり、今思い返すとたぶん結婚がきっかけだったような気がしますが、食器などにもこだわりたくなりセンスのいい雑貨やインテリアだったら欲しいと思うようになりました。もちろんビジュアルだけじゃなく機能や質感にもこだわって。

たとえばアンティーク。本物のアンティークはとても高価ですね。しかも困ったことに私は、アンティークデザインは好きなのですが中古品が嫌いなのです。矛盾してますけど(笑)。とはいえ新品の既製品にありがちな、なんちゃってアンティークは素材がツルピカだったりするので興醒めしてしまいます。アンティーク調のデザインで、手触りも雰囲気も機能性もあり、でも新品、なんていうワガママな商品が欲しいのです。
特に文房具なんかは本物のアンティークというワケにいきませんから、それっぽいものを探すのですが、、、、
つまり…そんなわけで、自分の欲しいと思う物を作ってみたらいいんじゃないかしらと考えました。
オリジナルだけれども押しつけのオリジナリティじゃなくて、さりげないけど存在感のある、アンティークに限らず「こんなのがあったら」と思うものをいくつかカタチにしてみました。
今後も、作ったものをブラッシュアップしながら新作にも取り組んでゆきたいです。

***クリエイティビティとオリジナル
独自に創意工夫されたデザインにはリスペクトを覚えます。かたちや機能で生活が変わるほどの(たとえば携帯電話やスマートフォンのように)斬新なアイデアを提案するのは容易ではありませんし、日本人にはなかなか出来ないことかもしれません。
ですので、一般的にはビジュアル的要素でオリジナリティを求める傾向が強いように感じます。はたしてそれはデザインと言えるのかどうかは分かりません。もしかするとアートの領域なのかもしれませんが、誰の目にも独自の創作物として認識しやすいのはビジュアルによる差別化だと、そんな気はしています。

かくいう私もビジュアルによるオリジナリティを追求したいと思う様になりました。ビジュアルだけに拘泥するのは押しつけのオリジナリティだと思っていた時期もありましたが、素直に描くことが好きな自分を前面に出してみてもいいかなと、今はそう思っています。
(まだ書きたいことがあるのですが今日はこのへんまでにしておきますね。また気が向いたら続きを書くかもしれません。)

「チルチンびと広場」に掲載

雑誌でおなじみの「チルチンびと」のWebサイト「チルチンびと広場」にBook Farmが掲載されました。
http://www.chilchinbito-hiroba.jp/CategoryDetail.php?p=1&pref=14&cl=3&cic=14_03_0030
chilchinbito-hiroba

インテリア・雑貨のカテゴリー、文房具のキーワード等に入っています。
新規のイベントなどは今後もインフォメーションコーナーに掲載しますので、チェックして頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

「注文の多い文具展」Book Farm参加のお知らせ

ranbu様企画の「注文の多い文具展」に参加させて頂くことになりました。全国から7名の作家が大阪に集う企画展示です。販売などの応対はショップスタッフの方にお願いすることになります。関西の方々に実物をお手に取っていただける機会ですので、Book Farmでは手製本ノートをはじめバインダーなど大きめなアイテムも販売予定です。ぜひよろしくお願いいたします!

2014bungu_smallranbu企画展「注文の多い文具展」

2014年1月29日(水)~2月24日(月) 12:30 ~19:30
(定休日:火曜日)
場所:ranbu
大阪市北区大淀南1丁目4-20 長谷川ビル301
JR『大阪』駅より徒歩10 分
「ranbu」ブログ>> http://blog.ranbu-hp.com/?eid=983120

Letterpress 卓上カレンダー

Letterpressのカレンダーを作りました。ハガキサイズの卓上カレンダーなので図版は小さいのですが、文字もイラストもすべて手刷りです。

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カラーインキはほとんど外国製。黒(文字部分)と紺(猫)だけ日本製インキ。オリジナルイラストの樹脂版を作り、ローラーでインキを付け紙をのせてプレス。

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紙は里紙。紙の色が上品なのでLetterpressが引き立ちます。

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細密画のようにすると小さなイラストは線が潰れてしまいがちなので、線はなるべく間引いてベタ塗り部分を少なめに、輪郭の線画にしました。

バインダー作りのための小さな道具

Book Farmではバインダーやアルバムを作るとき、写真のような道具を使っています。
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左から順に
■ビスネジ
アルバム用の金具。ネジを外すと台紙を増やせる。
■穴あけポンチ(径約2mmと4.5mm)
カシメやハトメを通す穴抜きに使用。
2mm用は10年以上前から持っていてホック付けに使っていました。
■カシメ用手打ち棒
右の連皿と組み合わせて使用。カシメを打つ道具。
■カシメ用連皿
カシメの頭の山がつぶれないよう窪んだ皿の上で打つ道具。
■真鍮カシメとニッケルカシメ
Book Farmではバインダーに金具を付けるために使用。
■ハトメ用の手打ち棒、打ち台(サイズ#300用)
ハトメを打ち付ける道具。
Book Farmではバインダーに紐やチャームを通す穴用に使用。
■真鍮ハトメ(高さ2種)
厚みによって高さを使い分ける。厚みがある場合は高さが必要。

バインダーシリーズ

紙表紙のバインダーの方向性がみえてきました。まだ配置とか絵柄は要調整。。

バインダーだからPP貼りにして丈夫にしようか等と迷ったけど、
やっぱりアンティークな雰囲気にはナチュラルな質感が似合う。

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布貼りのバインダーはレース付き表紙のタイプが割と出るので追加で制作。
別売りの台紙やシールも種類を増やします☆

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デザフェスVol.38ブースNo.G-333「Book Farm」で販売予定。ぜひお手に取ってご覧くださいね。

 

今回のノートは

エレキギターのイラストが表紙の、中綴じノートとハードカバーノートです。

http://bookfarm.jp/blog/archives/643/

http://bookfarm.jp/blog/archives/600/

7月に参加させていただいたイベントで、ブースに立ち寄って下さった通りがかりのお客様がLed ZeppelinのTシャツを着ていらして、趣味の曲、ジャケットの絵の話など、楽しく会話させていただきました。私の販売している商品は音楽もRockも関係のない絵柄の、ハードカバーノートやバインダーといった文房具類でしたが、いくつかご購入下さいました。買っていただいたことはもちろん嬉しいのですが、なんというか商品を超えたところでのコミュニケーションが新鮮で、私にはとても印象的な出来事でした。

これまで作ってきたノートはアンティークシリーズのデザインでした。アンティークは、もちろん大好きなモチーフです。でもシリーズやストーリーはアンティーク以外でも展開できるわけですし、他にもバリエーションを増やしてみたいと思いました。じつは個人的に、オリジナルは独創的なものでなければいけないんじゃないか?とか、テーマは統一されているべきだろうか、などと迷うこともありました。でも今回は肩の力をぬいて自分の趣味から題材を得てみました。ギターのイラストをIllustratorで描いています。何の気負いもなく楽しんで作りました。コンセプトとか努力とか、後付けの意思でコントロールした行動ではなくて、衝動的に素の感覚で作るよろこび、忘れかけてたような気がします。

お店のテーマは「大人が使いたい文房具」なので、そこはブレない商品展開で今後もいろいろと楽しみながら企画してゆきます。

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続・製本の手仕事

6月に書いた「製本の手仕事」の続編です。途中、端折った行程を写真でご紹介。

かがり綴じについては今回も撮影していません…ほんとに他サイトの方や製本ワークショップをされている方がとても親切に教えて下さっているので私が書くまでもないかと。。でもいつか気が向いたら書いてみますね。では背に糊を付けるところから見返し貼りまでご覧下さいませ☆

↓かがり綴じのときに芯にしていた麻糸はなるべく倒して背に沿わせる(私はこうしています)。

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↓あらかじめ栞(しおり)の頭を出して挟んでおき、背に糊を塗り込み麻糸を一緒に貼付けたところ。(ここでいう「糊」とは前回書いた通り障子糊とボンドを半々、水をほんの少し。)

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↓寒冷紗を貼り、しおりを貼付ける。

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↓花布を上下に貼る。

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↓背の全体に再度糊を塗る。

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↓背紙を貼付け。この状態でしばらく置いて落ち着かせる。

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↓表紙は背と表紙の間の溝に糊を塗り、出来上がった本文を真ん中に。

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↓表紙を閉じて溝を押さえたところ。

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↓垂直に表紙を開いて見返しに糊を(撮影するため手を離したので写真は垂直じゃないですが笑)。

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表紙を静かに倒す。

↓倒した表紙を再度開き、ガーゼや柔らかい布で撫でるように空気を抜きながら見返しを貼付ける。背側から端へ向かうよう放射状に空気を抜いていくとよさげです。

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↓見返しの間にクッキングペーパーを挟んでおく。糊付した湿気で本文用紙がヨレヨレになってしまうのを防ぐため。

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あとは上から重しをしてプレス。1日でおおむね乾きますが表紙が反り返ってくることもあるので3日以上はプレスして乾かしておいた方がきれいに仕上がるようです☆

 

バインダーの金具付け

暑いですね。今年の関東地方は例年より15日もはやい梅雨明けで(7月6日〜)猛暑日が続いています。 少し太陽が低くなる15時半頃、庭先でバインダーの金具付けをしました。

なぜ屋外でやるのかというと、硬くて水平なコンクリート上に石台を置いて穴をあけたり金具を打ち付けたりすると均等に力が加わるのです。本体が汚れないよう、コンクリートの上に新聞紙や板を敷いて。

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穴開けポンチで穴をあけます。たたくのは木槌とはいえ鍛冶屋のような音が鳴り響きますから夜はできません(笑)

バインダーの金具を取り付けたところ。両面カシメで固定しました。

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近所で音を聞いた人は、大工仕事をしてるのだろうと思ったかもしれませんがバインダーなのです☆このバインダーはいろんな道具を使い、こだわりをもって選んだ素材と、多くの工程で構成されています。

7月15日(月)祝日:手創り市 鬼子母神、11月2日(土)・3日(日)のデザインフェスタvol.38にて販売予定です。

製本の手仕事

手仕事の準備は製本も料理も同じ。まずは手を清めます。また、作業台も道具も清潔に。綴じるまでの工程はあせらず確実に、糊付けは生ものを調理するような気持ちで手際良く…という心持ちで向き合っています。出来上がった作品は盛りつけた後の料理のようにそっと静かに扱います。触りすぎると鮮度が落ちるのです。角がピンと張った活きのいい紙は使う時にドキドキしますよね。その感覚を大切にしたいのです。

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ノート本文用紙の折り作業には、マーサスチュワート/スコアリングボードを使っています。本来の機能である、折り線の筋付けのためではなく、角を利用して2つ折をピッタリ揃えるためだけに使います。木箱やお菓子のフタ等でも出来そうですね笑

 

01toji次に綴じ作業ですが、折った紙を重ねて束にしたものを折丁といいますね。ハードカバーノートは4枚(16ページ分)の折丁を10コ用意し、綴じて1束にします。

麻糸を芯にして綿糸で綴じてゆきます。綴じ方に関しては他サイトにとても詳しくて親切な情報がありますが、私もいずれは書いてみたいと考えております。今回はポイントだけ紹介することにして綴じの工程は割愛しますね。

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次に表紙の裏面にハケで糊を付けます。私の場合製本に使う糊の調合は、製本ボンドと障子糊を同量くらい、水をほんの少し(滑りがよくなる程度)。

親指と人差し指の2本で紙の端を抑えながらハケを放射状に動かして糊を伸ばしてゆき、1度半乾きにして2度塗りします。

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あらかじめサイズに切ってあった表紙用ボール紙(板紙)を置いて軽く押さえる。糊で汚れていない新しいクラフト紙の上に載せ、ボール紙を表紙に強く押しつけ、表紙ののりしろを下のクラフト紙ごと(ひっぱり気味に)折り返し、クラフト紙の上から竹指輪でしごいて側面やのりしろのキワや角がピッと仕上がるよう処理します。

 

 

 

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綴じた本文用紙は見返しを付けたり、しおりや花布、寒冷紗を付けて背固めする工程があるのですが、それもまた綴じの工程を書いた時にご紹介しますね。

表紙の真ん中に綴じた本文用紙を位置合わせして置きます。位置がずれないよう静かに表紙を閉じ、見返しの裏に糊を付けて表紙に貼り付けるのですがこの工程は写真を撮っていないのでまた後日…笑。

作業中は指先に集中力が必要。何か考え事などをしていると失敗することがあります笑。かといって緊張しすぎると、これまた失敗の元。何も考えず瞑想をしているような感じがよろしいようです。流鏑馬は力を抜いて的を見ずに射るものだと聞いたことがありますが、なんとなく通じるものがあるような気がしますね。「技」というのはそうやって磨かれてゆくのかもしれません。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。このように1冊ずつ、手間暇かけて作るので量産ができないのです。かといって、この作業を人任せや機械任せにしてしまうと寂しいというか、自分で仕上げたいので、多くの人に手にとっていただきたい気持ちとの板挟みでジレンマですね。

Book Farmの文房具は、作り手を離れ、使う人の手に渡り生活の中に存在することで完成します。机や本棚、鞄の中で、あなただけの物語が刻まれてゆくのだろうと想像すると、私はとてもハッピーです☆

 

布の裏打ち

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今日は布の裏打ちについて書いてみます。

製本の基本をもとに、なるべく失敗しない方法やコツを探しながら自分流の手順をみつけてゆくのが私のやり方です。なので、もっと素晴らしい方法が他にあるかもしれませんが、ご参考までに私の手順を記しておこうと思います。

布の裏打ちには和紙を使うのがふつうですが私は「純白ロール」という紙を使っています。

最初から接着剤の付いている裏打ち専用紙を使えばもっと楽に出来るかもしれませんがわりと高価ですよね。純白ロール紙は包装材料専門店のほかハンズ等の焼き菓子の型や道具のコーナーに置いてあったりします(最近ではハ○ズさんには置いてなかったので削除しておきます)。薄いわりに水に強く、和紙よりも破れにくいので使いやすいです。糊を付ける前に(紙のザラザラの面を上にして置き)霧吹きで軽く水を散らしておくと刷毛の滑りがよくなります。軽〜くです、軽く。刷毛でサーッとなでれば紙の上で水が薄くのびます^^

糊は製本用ボンド(木工用ボンドでもよいですが乾きが遅くなります)と障子糊を半々にして混ぜ合わせたもの。先ほど薄く水をのばした純白ロール紙の上に、今度は糊を薄くまんべんなくのばします。厚ぼったくなると生地にボンドが染み出るので要注意です。

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生地を上から置き(もちろん表面が上、裏面は糊の側)、生地のまわりにはみ出た紙の余白部分を布のキワまで折り返しておきます。

上にクラフト紙を置いて、手でしごいて圧着させます。裏からも同様に圧着。

これで乾かせば布の裏打ちは完成です☆

 

裏打ちした布を板紙(ボール紙)の周りに貼ってハードカバーにします。布張りのカバーは丈夫で手触りも優しいですね(o´∀`o)

 

バインダー(アルバム)

麻と綿の混紡生地を表紙に使い、バインダーを作りました。サイズは横230mmx縦220mmと正方形に近い形でわりと大きめ、A5のルーズリーフなんかは余裕で入ります。2穴のビス留めで、中身を自由に入れ替え可能。


アルバム

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この形に落ち着くまでは、ビスを留める板が大きすぎたり、天地の長さが少し足りなかったり、微妙な調整をしながら何度か作り直しました(*´∀`*)

 

同じシリーズで、2穴リング式のバインダーも作りました。そちらは主にスクラップ帳やメモ・ノートとして、A5サイズ仕上げ。上記の写真のタイプはどちらかというとアルバム的用途。もちろんスクラップ帳やメモ等にも使えますლ(╹◡╹ლ)