製本の手仕事

手仕事の準備は製本も料理も同じ。まずは手を清めます。また、作業台も道具も清潔に。綴じるまでの工程はあせらず確実に、糊付けは生ものを調理するような気持ちで手際良く…という心持ちで向き合っています。出来上がった作品は盛りつけた後の料理のようにそっと静かに扱います。触りすぎると鮮度が落ちるのです。角がピンと張った活きのいい紙は使う時にドキドキしますよね。その感覚を大切にしたいのです。

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ノート本文用紙の折り作業には、マーサスチュワート/スコアリングボードを使っています。本来の機能である、折り線の筋付けのためではなく、角を利用して2つ折をピッタリ揃えるためだけに使います。木箱やお菓子のフタ等でも出来そうですね笑

 

01toji次に綴じ作業ですが、折った紙を重ねて束にしたものを折丁といいますね。ハードカバーノートは4枚(16ページ分)の折丁を10コ用意し、綴じて1束にします。

麻糸を芯にして綿糸で綴じてゆきます。綴じ方に関しては他サイトにとても詳しくて親切な情報がありますが、私もいずれは書いてみたいと考えております。今回はポイントだけ紹介することにして綴じの工程は割愛しますね。

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次に表紙の裏面にハケで糊を付けます。私の場合製本に使う糊の調合は、製本ボンドと障子糊を同量くらい、水をほんの少し(滑りがよくなる程度)。

親指と人差し指の2本で紙の端を抑えながらハケを放射状に動かして糊を伸ばしてゆき、1度半乾きにして2度塗りします。

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あらかじめサイズに切ってあった表紙用ボール紙(板紙)を置いて軽く押さえる。糊で汚れていない新しいクラフト紙の上に載せ、ボール紙を表紙に強く押しつけ、表紙ののりしろを下のクラフト紙ごと(ひっぱり気味に)折り返し、クラフト紙の上から竹指輪でしごいて側面やのりしろのキワや角がピッと仕上がるよう処理します。

 

 

 

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綴じた本文用紙は見返しを付けたり、しおりや花布、寒冷紗を付けて背固めする工程があるのですが、それもまた綴じの工程を書いた時にご紹介しますね。

表紙の真ん中に綴じた本文用紙を位置合わせして置きます。位置がずれないよう静かに表紙を閉じ、見返しの裏に糊を付けて表紙に貼り付けるのですがこの工程は写真を撮っていないのでまた後日…笑。

作業中は指先に集中力が必要。何か考え事などをしていると失敗することがあります笑。かといって緊張しすぎると、これまた失敗の元。何も考えず瞑想をしているような感じがよろしいようです。流鏑馬は力を抜いて的を見ずに射るものだと聞いたことがありますが、なんとなく通じるものがあるような気がしますね。「技」というのはそうやって磨かれてゆくのかもしれません。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。このように1冊ずつ、手間暇かけて作るので量産ができないのです。かといって、この作業を人任せや機械任せにしてしまうと寂しいというか、自分で仕上げたいので、多くの人に手にとっていただきたい気持ちとの板挟みでジレンマですね。

Book Farmの文房具は、作り手を離れ、使う人の手に渡り生活の中に存在することで完成します。机や本棚、鞄の中で、あなただけの物語が刻まれてゆくのだろうと想像すると、私はとてもハッピーです☆

 

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