写実的に描くならリアルに、と思いながら自分がそれを描くことの意味を見いだせないと思っていた時期がありました。10代の頃です。些細なことで悩んでしまう年頃だったんですね。
何かをそっくりに描くのなら別に私が描かなくても写真を撮ればいいし、他に上手い人はたくさんいるし、私がもしリアルに描けたとしてもその先に何があるというの?という気持ちでいっぱいでした。かといって描かないと上達しないので、リアルに描けない自分が絶望的で、ある時から描くことをやめてしまいました。
でも、幼少の頃から絵を描くのが好きでひまさえあればずーっと描いてたあの気持ち、今思うと何か尊いものだったような気がします。子供の頃は自分の行動に意味や言葉で理由付けする必要なんて無かったのですから、ただひたすらに、無意識に、夢中になって描いてました。
そうやって、理屈では表せない感情に突き動かされることの大切さを、大人になってようやく気付きました。また、それらの感覚はそう簡単に消えて無くなったりはしないんですね。今、描きたくて仕方がありません。もちろん上手く描けないときの苦しさは10代の頃と同様にありますが、そこを突破したい気持ちの方が強いです。
今は描かなかった時間を取り戻したい気持ちです。描きたい絵は今のところ細密画とイラストの中間くらいの絵です。そのために今、植物の細密画を勉強中です。細密画が描ければ少し崩すことは可能になると思います。先生の手法を学びながら近頃知ったのですが、リアルに描く=見たままではないということ。植物の構造をより分かりやすく、見た人が視覚的に理解しやすくするために、重なった花弁の線をわざとずらして描くこともありました。細密画は奥が深いですね。
一方、ファブリックなどに使われていそうな素朴なタッチのイラストも好きです。ボロスのバードランドとかマラガとか、色使いも素敵でカワイイですね!…と言いつつ実際自分がカーテンなどにオーダーする生地はシンプルなものだったりするのですが^^; たぶんポーチやバッグ、ハンカチなど小物類があれば欲しいです。
見て楽しいもの、小物として欲しいもの、インテリアとして欲しいもの、アクセサリーや洋服で身につけたいもの、自分が描きたいもの、は少しずつ違うようです。
そんな私が、今いちばん気持ちを傾け情熱を注ぐことができるのは生活を彩るハンドメイド作品です。部屋やインテリアなどの生活空間は個人的にはシンプルな方が好きなのですが、小物類、ステーショナリー、アクセサリー類はたくさん種類があった方がコーディネートやシーンを選べますし既製品にない良さがあります。読みたい本を選ぶのに似て、文具や小物もいろんな自分を体験できるツールだと思っています。
子供の頃に心ときめいたもの、もらって嬉しかったもの、本で読んだ世界、旅先で見た面白いもの、などなど。いろんなものを心おもむくままに描いて形にしてゆこうと思います。
良かったらBook Farmの文房具↓のぞいてってくださいね。